物件選びは、まず利用目的を明確にするところから始まります。
間取りや広さだけにとらわれるのではなく、その家でどんな生活がしたいのか、できるだけ具体的に頭の中で描いて
メモしていきましょう。
田舎暮しというと、余計なものに干渉されずのびのびとした暮らしを思い浮かべるかもしれませんが、かえっていろいろな
しがらみが多くなる部分もあります。
人付き合いが苦手で自然と語り合いながら静かに暮らしていきたいという人は、別荘地帯を選ぶとよいでしょう。
農村では、その地域の住民が助け合いながら生活環境を守ってきたため、自分もその一員となる必要が出てきます。
地元の人は若いときからその農村の役に立つことで、安心して暮らす権利を手に入れてきたのです。
そのため、都会の人が突然やってきて、人付き合いもせず、地域への貢献もなく、安心して豊かに暮らそうというのは、
なかなか受け入れられ難いでしょう。
よって、農村に住む自信のない人は、別荘地帯を選ぶことをお勧めします。
ただし、別荘地帯にも都会人同士の付き合いがあります。とくに定住者の多い別荘地帯では、そういう集まりが生まれてきます。
田舎では、昔からの土地と家で暮らす人がほとんどのため、賃貸アパートやマンションを探すのはかなり難しいです。
そのため、賃貸物件を扱う業者がいるのは、地方都市の周辺地域に限られます。
過疎地での空き家を借りられるとすれば、低予算で田舎暮しを始めたい都会人には魅力的な話でしょう。
しかしながら、仲介手数料が極端に安いため、貸家を扱う業者はほとんどいないのが現状です。
行政ルートや自分で探す方法もありますが、これも一筋縄ではいきません。
空き家の持ち主は、地域社会でもめごとを起こされることをとても嫌がるので、よほどあなたの人間性が認められないかぎり、
空き家は提供してくれないと考えた方が良いでしょう。
農村は借地料が安いので、予算が少ない人はむしろ借地に家を建てることを検討されることをお勧めします。
田舎暮しで中古物件を購入すると想定した場合、一千万円前後の予算は必要になるでしょう。
しかし
、田舎の土地は担保価格が極端に低いため、金融機関から融資を断られローンが利用できないケースが多いようです。
山村の宅地は、坪三〜十万円程度のため、百坪前後の敷地でもせいぜい数百万円にしかなりません。
それを担保に建物を建築する資金を貸してもらおうとしても、話が通りにくいのは想像できるでしょう。
山林や原野に家を建てる場合はなおさら条件が悪くなります。
週末利用の田舎暮しなら、収入が安定しているのでローンも組みやすいでしょうが、本格的に田舎暮しをする場合の
物件購入はあくまでも現金を基本にすることをお勧めします。